今年6月にマイナーモデルチェンジする HARRIERToyota Safety Sense P が標準装備されると聞いたので、TOYOTASUBARU の衝突被害軽減ブレーキについて調べてみました。
衝突被害軽減ブレーキは、各メーカーが提供するセーフティーパッケージ(安全装備)の機能の一部です。
性能評価については、独立行政法人自動車事故対策機構の自動車アセスメント試験動画を参考にしています。
https://www.youtube.com/user/nasvaassess/featured 
http://www.nasva.go.jp/mamoru/ 

TOYOTA【Toyota Safety Sense P】
  • システムの概要(トヨタのサイト調べ)
    単眼カメラミリ波レーダーで、前方の車両や歩行者を検出します。
    ① プリクラッシュセーフティシステム(衝突回避支援/歩行者検知)
    ② レーンディパーチャーアラート(車線逸脱警報/ステアリング制御付)
    ③ オートマチックハイビーム(ヘッドライトのハイ/ロー自動切替)
    ④ 先行車発進告知機能(信号待ち等で前車の発進を検知・告知機能)
    ⑤ レーダークルーズコントロール(ブレーキ制御付/全車速追従機能付)
  • ブレーキ効果の補助機能(プリクラッシュブレーキアシスト)
    対歩行者:車速が30Km/h~80Km/hの速度域で作動。
    対車両:車速が30Km/h~最高速度まで作動。
  • 自動ブレーキ(プリクラッシュブレーキ)
    対歩行者:車速が10Km/h~80Km/hの速度域で作動。
    速度低減量は、約30Km/h
    対車両:車速が30Km/h~最高速度まで作動。
    速度低減量は、約40Km/h
TOYOTA【Toyota Safety Sense C】
  • システムの概要(トヨタのサイト調べ)
    単眼カメラレーザーレーダーで、前方の車両のみ検出します。
    ミリ波レーダーを使用しないので、歩行者には対応していません。
    ① プリクラッシュセーフティシステム(衝突回避支援)
    ② レーンディパーチャーアラート(車線逸脱警報)
    ③ オートマチックハイビーム(ヘッドライトのハイ/ロー自動切替)
    ④ 先行車発進告知機能(信号待ち等で前車の発進を検知・告知機能)
  • ブレーキ効果の補助機能(プリクラッシュブレーキアシスト)
    対車両:車速が約30Km/h~80Km/hまでの速度域で作動。
  • 自動ブレーキ(プリクラッシュブレーキ)
    対車両:車速が約10Km/h~80Km/hまでの速度域で作動。
    速度低減量は、約30Km/h
代車のプレミオ01
Toyota Safety Sense C は、代車で借りた PREMIO に搭載されていました。
試乗会じゃないので、自動ブレーキの性能はテストできませんでしたが、レーンキープアシストは、しばしばアラーム音を鳴らしてました。
それと、車庫入れの時に後ろのバンパーを壁ギリギリに駐めようとすると、自動ブレーキがキッチリ掛かって、二度手間でしたね。
Toyota Safety Sense P は、搭載しているレーダーの種類が Toyota Safety Sense C と異なるので、C で出来ない歩行者の検知に加えて、クルーズコントロール(全車速追従)が可能です。
トヨタは2017年度末までに、2種類の安全装備(Toyota Safety Sense)を全車種に搭載する計画です。
それでは、独立行政法人自動車事故対策機構が公開している、対停止車両の試験動画を見てみましょう。
まずは、Toyota Safety Sense P/C 以前の旧型の衝突軽減ブレーキを搭載した2013年式ハリアーの動画です。
 

ハリアーの対停止車両試験/CCRs30km/h 
残念ながら現行のハリアーには、ToyotaSafetySense は搭載されていません。
実は、HARRIER を買う時にメーカーオプションの「レーダークルーズコントロール(ブレーキ制御付)」の選択を検討したのですが、SUBARU の EyeSight に遠く及ばない性能だったのでオプション選択を諦めていました。
2017年6月のマイナーチェンジで、ハリアーにもクラウンと同じ Toyota Safety Sense P が搭載されるので、今後は「買い」ですよ。
クラウンとカローラの動画で Toyota Safety Sense P/C それぞれのパフォーマンスをご確認下さい。

Toyota Safety Sense P の試験動画


クラウンの対停止車両試験/CCRs50km/h 


クラウンの対定速走行車両試験/CCRm45km/h 


クラウンの対歩行者遮蔽物無し試験/CPN50km/h 

Toyota Safety Sense C の試験動画


カローラ アクシオの対停止車両試験/CCRs50km/h


カローラ アクシオの対定速走行車両試験/CCRm60km/h

2013年のハリアー発表時には 30Km/h でも停止車両にぶつかってたのに、今では 50Km/h に速度を上げても停止車両への衝突を回避できる様になっています。

SUBARU【EyeSight Version_3】
  • システムの概要(スバルのサイト調べ)
    左右2つのカメラ(ステレオカメラ)のみで立体的に環境を把握して、クルマや歩行者、自転車、白線、道路形状、隣車線の車両なども識別し、対象との距離や形状、移動速度を認識する。その認識情報と自車の走行状況を基にソフトウェアが判断し、ブレーキ等の各ユニットを制御します。
    バージョン3からユニットの小型・薄型化が進み、カメラを CCD(モノクロ)から CMOS(カラー)に変更する事で、視認性能の向上(高解像度化)、視野角・視程が従来比40%向上、カラー識別により先行車ブレーキランプも認識出来る様になった。
    ① プリクラッシュブレーキ(衝突回避/被害軽減)
    ② 全車速追従機能付きクルーズコントロール
    ③ アクティブレーンキープ機能(車線逸脱抑制)
    ④ AT誤発進・誤後進抑制制御
    ⑤ 自車のふらつき警報、車線逸脱警報
    ⑥ 衝突事故発生時の記録保持機能
  • ブレーキ効果の補助機能(プリクラッシュブレーキアシスト)
    ドライバーによるブレーキ回避操作があった場合「プリクラッシュブレーキアシスト(2次ブレーキ)」が直前で起動して強い制動力をかける。
    そのため前方車両との速度差が30km/h 以上の場合、システムの作動が間に合わず衝突回避できない。
  • 自動ブレーキ(プリクラッシュブレーキ)
    対歩行者:
    歩行者との速度差が約35Km/h 以下だと衝突回避/被害軽減できる。
    対車両:
    前方車両との速度差が約50Km/h 以下だと衝突回避/被害軽減できる。
    ※ 対歩行者、対車両共に上記の条件に合致した場合でも、状況によっては衝突回避できない事やプリクラッシュブレーキが作動しない事がある。
それでは2014年6月に販売開始されたレヴォーグと、2016年11月に販売開始されたインプレッサの試験動画を見てみましょう。


レヴォーグの対停止車両試験/CCRs50km/h 


レヴォーグの対定速走行車両試験/CCRm60km/h 


レヴォーグの対歩行者遮蔽物無し試験/CPN55km/h 


インプレッサの対停止車両試験/CCRs50km/h 


インプレッサの対歩行者遮蔽物無し試験/CPN40km/h  

単純に言うと、TOYOTA は単眼カメラとミリ波レーダーで、人と自動車との衝突を回避。SUBARU は色認識できるステレオカメラだけで、人と自動車との衝突を回避。
どちらが優れているのかは、体感してみないと解りませんが、事故の一歩手前なので実際に公道で経験したくはないですね。